眼精疲労の予防がわかる 遠視診療のすべて

眼精疲労の予防がわかる 遠視診療のすべて

販売価格: 7,700円(税込)

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商品詳細

眼精疲労治療の基本は遠視矯正にあり!「遠視=完全矯正」では不十分!!

「視力は良いのに眼が疲れる」
「夕方になると頭痛がする」
「パソコン作業が続けられない」
「ドライアイ治療を続けても改善しない」
このような患者の訴えを、単なる眼精疲労や不定愁訴として終わらせていないでしょうか。

遠視は「遠くが見える眼」と理解されることが多く、裸眼視力が良好であるために、患者自身にも医療者にも問題として認識されにくい屈折異常です。しかし遠視眼では、遠方視においても明視を維持するために調節を必要とし、日常生活のなかで毛様体筋に慢性的な負荷がかかっています。
本書では、遠視を単なる屈折異常ではなく、「調節の慢性負荷」という視点から捉え直します。遠視眼でなぜ眼精疲労、頭痛、肩こり、集中力低下など多彩な症状が生じ得るのかを、遠点・虚空間・調節力という概念から整理し、臨床で患者を診るための新しい視点を提示します。

遠視診療で重要なのは、「どこまで見えるか」ではありません。「どのような負荷の上に、その視力が成り立っているのか」を評価することです。裸眼視力が1.5あっても、その視力が過剰な調節努力によって維持されているのであれば、患者は日常生活のなかで常に眼を酷使している可能性があります。
本書では、遠視を疑うための問診、症状から調節負荷を読み取る方法、屈折検査で遠視を見逃さないための具体的な手順を詳述します。自覚的屈折検査、両眼同時雲霧法による「快適矯正度数」の考え方など、一般外来で実践できる検査スキルを解説しています。
さらに、遠視矯正で多くの医師が悩む「眼鏡を掛けると気持ち悪い」「裸眼のほうが見える気がする」「眼鏡が続かない」といった患者対応についても、光学的背景から丁寧に解説しています。遠視眼鏡特有の像拡大、距離感の変化、枠外視による違和感などを理解することで、患者への説明と装用指導が可能になります。
また、眼鏡だけでは適応が難しい症例に対するコンタクトレンズの活用についても、眼鏡先行かコンタクトレンズ先行かという選択から、不等像視への対応、HCL・SCLの使い分け、眼鏡との併用まで実践的に解説しています。
小児から成人、中高年まで幅広い症例を提示している点も本書の特徴です。
裸眼視力は良好だが学習時の集中困難を認めた小児遠視、パソコン作業を契機に体調不良を呈した成人例、眼鏡が馴染まない高度遠視・不同視例、老視と考えられていた中高年遠視例など、日常診療で遭遇する患者像を通じて、遠視診療の考え方を具体的に学べます。

眼精疲労診療に携わる眼科医、視能訓練士に、新たな診療の視点を提供する1冊です。

 

目次

Chapter1 遠視の本質―屈折異常にとどまらない“調節の慢性負荷”である―
 1.屈折異常の定義と「遠点・虚空間」という視点
 2.正視・近視・遠視における調節状態の本質的な違い
 3.裸眼遠見視力が成立するしくみ
 4.調節が「常時ON」であるという病態
 5.なぜ遠視による調節負荷は多彩な症状を引き起こすのか

Chapter2 遠視が関与しうる全身症状と社会的影響―集中力低下・自律神経症状・“原因不明”症候群―
 1.集中力低下と学習・作業効率の低下
  Case 01 裸眼視力は良好だが学習時の集中困難を認めた小児遠視眼[10歳/男児]
  Case 02 デジタルデバイス作業時の眼痛・頭痛を契機に発見された遠視眼[30歳/男性]
 2.自律神経症状と遠視
 3.“原因不明”とされる患者に潜む遠視
 4.遠視関与を見極める鑑別の視点

Chapter3 遠視を疑う力―初診時にここまでわかる―
 1.問診で拾うべきキーワード
 2.遠視を疑った際の基本問診
 3.生活背景・作業距離・職業の重要性
 4.裸眼視力が良い患者ほど注意すべき理由
 5.遠視を疑う症状と鑑別疾患
 6.見逃されやすい遠視の典型例
  Case 03 裸眼視力良好のため見逃されていた中等度遠視眼[32歳/男性]
 7.「見え方」ではなく「負荷」を診る

Chapter4 屈折検査の再考―遠視を見抜く検査とは何か―
 1.他覚検査・自覚検査の限界と意味
 2.両眼同時雲霧法と「快適矯正度数」
 3.軽度遠視眼ほど症状が強い理由
 4.「度数を出す」ことと「診断する」ことの違い

Chapter5 遠視矯正の原理―なぜ最初はつらいのか―
 1.矯正初期に起こる不快感
 2.短時間装用が逆効果になる理由
 3.点眼薬を用いた初期適応の補助
 4.終日装用が適応を早める理由
 5.患者が訴える違和感の背景にある光学的特徴

Chapter6 遠視診療の実践―遠視眼をいかに疑い,検出し,矯正へ導くか―
 1.遠視診療の基本戦略
 2.時系列でみる遠視診療
 3.装用指導の原則と注意点
 4.眼鏡のフィッティングと累進屈折力レンズ
 5.遠視診療で最も重要なこと

Chapter7 眼鏡かコンタクトレンズか―矯正手段の戦略的選択―
 1.眼鏡先行か,コンタクトレンズ先行か
 2.眼鏡矯正の利点と限界
 3.コンタクトレンズ先行が有効な症例
 4.コンタクトレンズ選択の考え方
 5.「裸眼視力が落ちる」感覚の正体
 6.眼鏡とコンタクトレンズを併用する理由
 7.コンタクトレンズ処方時の安全管理

Chapter8 遠視診療のCase study
 1.小児の遠視
  Case 04 視力は良好なのに集中力が続かない小児遠視[11歳/男児]
 2.成人の未矯正遠視
  Case 05 外勤から内勤になってから不調を生じた遠視眼[35歳/男性]
 3.強度遠視における不同視
  Case 06 眼鏡が馴染まない遠視眼[39歳/男性]
 4.中高年と遠視
  Case 07 単焦点コンタクトレンズで快適な矯正が得られた中高年の遠視眼[44歳/女性]
 5.職業別(デジタルデバイス作業・精密作業など)の遠視
  Case 08 ルーペが合わない遠視眼[70歳/女性]
 6.症例からみた遠視診療の共通点

Chapter9 調節機能解析装置が教えてくれたこと
 1.調節機能解析装置の概要
 2.調節機能解析装置で観察できた臨床所見
 3.なぜ調節機能解析装置がなくても診療できるのか
 4.調節機能解析装置は何を可視化したのか

Chapter10 眼科医・視能訓練士へのメッセージ
 1.遠視診療で自信を失わないために
 2.患者の反応に振り回されない
 3.遠視を診られる医療者の価値
 4.おわりに

索引

商品仕様

著者 【著】梶田雅義
出版社 三輪書店
発刊年 2026年10月